データセンターの防犯カメラは、「入退室とラック周辺を確実に記録できる画質」「映像の改ざんや消去を防げる録画・保存体制」「24時間365日の運用に耐える信頼性」の3点で選ぶのがおすすめです。データセンターは、顧客のサーバーやネットワーク機器を預かる、止められない施設です。侵入や不正な持ち出しだけでなく、「誰が、いつ、どの機器の前にいたか」を後から証明できることが求められるため、一般的なオフィスや店舗とは違う視点で防犯カメラを選ぶ必要があります。
この記事では、データセンターの運営者や、サーバールームを自社で管理する情報システム・総務の担当者の方に向けて、防犯カメラが必要な理由から、失敗しない選び方5つの条件、設置場所、運用のポイントまで順に解説します。
この記事でわかること
- データセンターに防犯カメラが必要な理由
- 防犯カメラを選ぶ5つの条件
- 設置してよい場所と、設置してはいけない場所
- 映像データを守る運用ルール
- 比較サイトを使った効率的な選び方
\簡単2分で複数業者を比較・見積り/
データセンターに防犯カメラが必要な理由
データセンターには、防犯カメラの設置が欠かせません。預かっている機器やデータは、顧客の事業そのものを支える資産であり、物理的な不正や事故が起きたときに、映像がなければ原因の特定も、顧客への説明もできないからです。
データセンターで想定される主なリスクは、次のとおりです。
- 権限のない人物の侵入や、正規の入館者の後ろについて入る共連れ
- 入館者による、許可されていないラックへの接近や、機器の不正な操作
- サーバーや記憶媒体、部品の持ち出し
- 作業員や委託業者の、誤操作や、手順違反によるトラブル
- 敷地や建物の外周からの侵入、車両による不審な接近
防犯カメラがあれば、「記録されている」という意識が抑止力になり、問題が起きたときも、映像が客観的な記録として、顧客や監査への説明、警察への相談に役立ちます。ただし、防犯カメラだけで物理セキュリティが完結するわけではありません。入退室管理や、ラックの施錠、警備員の配置と組み合わせることで、はじめて実効性が高まります。
大規模な施設の防犯の考え方は、物流センターの防犯対策を強化|倉庫のセキュリティを底上げする方法や、工場の防犯対策を強化する方法でも紹介しています。
データセンターの防犯カメラおすすめの選び方:5つの条件
データセンターの防犯カメラは、次の5つの条件で選ぶと失敗しにくくなります。一般的な防犯カメラの性能に加えて、映像そのものの信頼性と、機密情報が映り込まない配慮が重要になるため、「映す・守る・残す」の3つの視点で整理して考えましょう。
条件1:入退室とラック周辺で人物と手元を判別できる画質
入退室の場所とラックの周辺では、人物の顔と手元の動きを判別できる画質を選びましょう。データセンターのトラブルは、「誰が入ったか」「どのラックに触れたか」の確認が出発点になるため、映像の精度が、そのまま調査の質を左右するからです。
画質は、200万画素(フルHD)以上が目安です。入口や、エアロック(二重扉)の前など、人物の顔を確実に記録したい場所は、400万画素以上も検討してください。サーバールームの通路は、ラックが並ぶ細長い空間であり、天井付近からの広角カメラだけでは、手元や、ラックの扉の開閉が見えにくくなります。通路の端から奥へ向けて撮るカメラと、ラックの前面を斜めから捉えるカメラを組み合わせると、確認しやすくなります。サーバールームは、照明を落としていたり、LED表示の光が点在したりする環境のため、WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能や、低照度に強い機種が向いています。
条件2:機密情報が映り込まない配慮
モニターやキーボードの入力内容が映らない画角と設置を、選定の段階で確認しましょう。データセンターには、顧客のID・パスワードや、構成情報が表示された画面を扱う場面があり、防犯カメラの映像にそれが残ってしまうと、情報漏えいの原因になるからです。
作業用のコンソールや、クラッシュカート(キーボードとモニターを載せた台車)の画面が読み取れるほど、鮮明に映る角度は避けましょう。顧客の専有エリアや、ケージの内部をどこまで映すかは、契約や、顧客の同意に左右されるため、事前に運用方針を決めておく必要があります。映したくない範囲を隠せるプライバシーマスク機能を備えたカメラなら、設置後も範囲を細かく調整できるため安心です。音声の録音は、会話に機密が含まれるおそれがあるため、原則として行わない運用が無難です。
条件3:改ざん・消去を防げる録画方式と長期保存
録画方式は、映像の改ざんや消去を防ぎ、必要な期間、確実に保存できるものを選びましょう。データセンターの映像は、事故や不正が起きたときの証拠であり、保存期間が足りなかったり、映像が書き換えられたりしては、意味を失うためです。
| 録画方式 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| レコーダー(NVR・DVR)録画 | 複数台の映像を一元管理でき、長期保存に向く。専用の施錠できる場所への設置と、冗長化が必要 | 敷地内に管理用の専用スペースを確保できる施設 |
| クラウド録画 | 現地の機器が壊されても映像が残り、遠隔で確認しやすい。月額費用と、通信・データの取り扱いの確認が必要 | 拠点が複数ある場合や、バックアップを兼ねる場合 |
| オンプレミス録画とクラウドの併用 | 現地の保存と、外部への保存を両立でき、冗長性が高い。構成と費用が複雑になる | 顧客や監査から、高い信頼性を求められる施設 |
保存期間は、施設の方針や、顧客との契約、準拠する基準によって異なるため、一律の目安は示せません。1か月程度では足りないケースも多く、数か月から、場合によっては1年以上の保存が必要になることもあります。録画機器は、施錠された専用の場所に設置し、管理者以外が映像を削除したり、設定を変更したりできないよう、権限を分けておきましょう。映像へのアクセスの履歴を残せる機能があると、運用の信頼性が高まります。
条件4:24時間365日の運用に耐える信頼性と冗長性
止まらない運用を前提に、機器の信頼性と、障害時の備えを確認しましょう。データセンターは、24時間365日稼働し続ける施設であり、防犯カメラが停止している時間帯に問題が起きると、証拠が残らないリスクがあるからです。
停電時にも録画を続けられるよう、UPS(無停電電源装置)や、非常用発電機とつなげる構成を検討します。カメラやレコーダーの故障を早期に検知し、管理者へ通知できる機能があると、録画の空白を防げます。PoE(LANケーブルで電源も供給する方式)対応のカメラなら、配線をまとめやすく、UPSからの給電も一括して管理しやすくなります。サーバールームは、空調で温度が低く保たれ、静電気や粉じんにも配慮が必要なため、動作環境の条件も、あわせて確認しておきましょう。
条件5:ネットワーク分離と、セキュリティ対策を備えた構成
防犯カメラ自体が攻撃の入り口にならないよう、ネットワークと機器のセキュリティを確認しましょう。防犯カメラは、ネットワークにつながる機器であり、設定が不十分だと、外部から映像を盗み見られたり、ほかの機器への侵入の足がかりにされたりするおそれがあるためです。
確認しておきたい点は、次のとおりです。
- 防犯カメラ用のネットワークを、業務用や顧客用のネットワークから分離できるか
- 初期パスワードの変更や、ファームウェアの更新が、継続的にできるか
- 通信や、保存データの暗号化に対応しているか
- 操作の履歴(ログ)を残せるか
導入後も、セキュリティ更新の提供が続くメーカーや製品を選ぶことが大切です。施設が準拠している認証や基準によって、要件が異なる場合があるため、導入前に、担当部門や監査の窓口へ確認してください。
データセンターで設置してよい場所と、設置してはいけない場所
設置場所は、「敷地・建物の外周と車両の出入口」「受付・セキュリティゲート」「エアロック・サーバールームの入口」「サーバールームの通路」「搬入口・荷受けスペース」の順に、外側から内側へ段階的に優先して決めるのが効果的です。入退室の経路を、層ごとに記録することで、不正がどの段階で起きたのかを、後から追跡できるからです。
敷地の外周と、車両の出入口には、夜間でも人物や車両を判別できるカメラを設置し、不審な接近や、無断での立ち入りを確認できるようにします。受付や、セキュリティゲートは、入館者の顔と、身分証の確認の様子が記録できる位置が効果的です。サーバールームの入口と、エアロックの前は、共連れを確認できる位置に設置し、入室する人数と、ゲートの通過の記録を、突き合わせられるようにします。
サーバールームの通路は、前述のとおり、ラックの前面と手元を捉える画角を意識しましょう。搬入口や、荷受けのスペースは、機器の搬入・搬出の様子が映る位置にし、持ち出しの確認に役立てます。夜間や、無人の時間帯の侵入への備えは、夜間の侵入防止対策まとめや、ビル防犯対策の基本と実践も参考になります。
一方で、次の場所には注意が必要です。
- トイレ、更衣室、休憩室など、プライバシーに関わる空間には設置しない
- 顧客の専有ラックの内部や、ケージの中、画面の表示内容が読み取れる位置は、契約と同意の範囲を確認したうえで判断する
台数は、施設の規模や構造で変わり、小規模なサーバールームなら数台、大規模なデータセンターでは、数百台に及ぶこともあります。施設の図面に、入退室の経路と、ラックの配置を書き込み、死角が残らないように配置を検討すると、無駄がありません。
映像データを守る運用ルール
防犯カメラは、設置して終わりではなく、映像データそのものを守る運用ルールまで整えて、はじめて信頼できる設備になります。データセンターの映像は、入館者や作業員の個人情報であると同時に、施設の物理セキュリティの根拠となる証跡でもあるためです。
運用では、次の点を整えておきましょう。
- 映像を閲覧できる担当者と、削除・設定変更ができる担当者を、分けて管理する
- 保存期間と、廃棄の方法、顧客や警察から提供を求められた際の手順を、文書化する
- 入館者や作業員に、防犯カメラの設置と、撮影の目的を事前に周知する
- 映像の閲覧や、持ち出しの履歴を残し、定期的に点検する
委託業者や、顧客の作業員が出入りする場合は、入館の際に、撮影の範囲と目的を説明し、同意を得ておくと、のちのトラブルを防げます。映像を第三者に見せたり、SNSなどで共有したりしないことも、徹底しましょう。会社全体の防犯体制の考え方は、会社の防犯対策を強化する方法や、会社での盗難を未然に防ぐにはも参考になります。
自施設に合う防犯カメラは比較サイトで探そう
自施設に合う防犯カメラを選ぶには、複数の機種やサービスを比較するのが近道です。施設の規模、準拠する基準、保存期間の要件、既存の入退室管理との連携、予算によって、最適な選択肢が大きく変わるためです。
実際には、「画質は十分だったが、保存期間が足りず、顧客からの照会に応えられなかった」「ラックの通路を映すカメラが、作業中の画面まで映してしまい、見直しが必要になった」「防犯カメラのネットワークを分離しておらず、セキュリティ部門から指摘を受けた」といった失敗が少なくありません。比較サイトなら、機能や費用、サポート体制を一覧で見比べられるため、条件に合うものを効率よく絞り込めます。
データセンターに合う防犯カメラを一覧で比較してみませんか?
設置環境・予算・機能から、条件に合った防犯カメラを比較できます。
\簡単2分で複数業者を比較・見積り/
ほかの施設の事例も知りたい方は、防犯カメラの選び方・おすすめ記事一覧や防犯対策カテゴリーもご覧ください。
データセンターの防犯カメラに関するよくある質問
- データセンターの防犯カメラは何台必要ですか?
-
施設の規模や構造によって大きく変わります。小規模なサーバールームなら、入口・通路・外周を映す数台から始められますが、大規模なデータセンターでは、数百台になることもあります。入退室の経路と、ラックの配置を図面に書き込み、死角をなくす配置から逆算して決めるのがおすすめです。
- 映像はどのくらいの期間、保存すべきですか?
-
施設の方針や、顧客との契約、準拠する認証・基準によって異なるため、一律には言えません。数か月から、場合によっては1年以上の保存が必要になることもあります。導入前に、顧客との契約や、監査・セキュリティ部門の要件を確認してください。
- 顧客のラックの内部を映してもよいですか?
-
契約や、顧客の同意の範囲によって判断が分かれます。画面の表示内容や、入力内容が読み取れる角度は避け、通路や、ラックの前面を映す位置を基本にしましょう。顧客専有のエリアを映す場合は、事前の説明と、同意の取得が大切です。
- 防犯カメラがネットワークにつながっていても安全ですか?
-
設定や運用が不十分だと、外部からの不正アクセスのおそれがあります。防犯カメラ用のネットワークを分離し、初期パスワードの変更、ファームウェアの更新、通信の暗号化などを徹底しましょう。導入後も、セキュリティ更新が提供される製品を選ぶことが重要です。
- 入退室管理システムとの連携は必要ですか?
-
必須ではありませんが、入退室の記録と、映像を同じ時刻で突き合わせられると、共連れや不正利用の確認がしやすくなります。既存のシステムとの連携方法は、製品によって異なるため、比較の際に確認しておくと安心です。
まとめ:データセンターの防犯カメラは5つの条件で選ぼう
データセンターの防犯カメラは、「入退室とラック周辺で人物と手元を判別できる画質」「機密情報が映り込まない配慮」「改ざん・消去を防げる録画方式と長期保存」「24時間365日の運用に耐える信頼性と冗長性」「ネットワーク分離とセキュリティ対策を備えた構成」の5つの条件で選ぶのがおすすめです。設置場所は外周・受付やゲート・エアロックやサーバールームの入口・通路・搬入口の順に、外側から内側へ押さえ、映像データを守る運用ルールまでセットで考えましょう。
最適な構成は、施設の規模や準拠する基準、保存期間の要件、予算によって変わります。まずは比較サイトで複数の選択肢を見比べ、自施設に合う防犯カメラを探してみてください。
条件に合う防犯カメラをまとめてチェック
\簡単2分で複数業者を比較・見積り/

